「十二単衣(ひとえ)」 花びら(本当はガクですが)幾重にも重なっているのでついた名であろうと思います。観察してみるとアジサイの花びらは4枚が基本ですが、その1枚が4重にもなっているものがあります。つまり、4×4で16枚のも花びらが重なっているということ。さぞや頭が重かろう。
実際に十二単衣をまとったらどんな重さなのでしょうね。皇族の方々の儀式でのご様子などをTVで拝見しても、ずっしりと重そうな様子がみてとれますものね。
僧侶も重ね着ですので、お檀家さんから「暑いでしょう」と言われます。肌着、襦袢、着物(白衣)、衣と4枚着ているとそれぞれが夏物で涼しい生地であってもさすがに暑いですね。
十二単衣は遅咲きで、今が見頃です。
アジサイの鑑賞時期も後半戦。そろそろ来年に向けた準備も並行して行わねばなりません。
ヒメアジサイの挿し穂をたくさんつくりました。80本くらいかな。これを顆粒の鹿沼土をひきつめた浅鉢に挿していきます。2週間もすれば根が張ってきますので、鹿沼土から引き抜いて、ポット鉢に植えてやります。ヒメアジサイはごく一般的な手毬咲きの青アジサイですが、暑さにも雪にも丈夫で、早咲きですので、これを増やして裏山に植えていこうと考えています。
「死ぬまでに一度はいってみたい絶景」の秋田県雲昌寺さんは挿し芽を五・六百もつくるそうです(雑誌に書いてありました)。そこまでは遠く及びませんが、将来の「アジサイに囲まれた光照寺」を夢見ています。
永代供養墓前庭の整備を進めていますが、昨日はアジサイの定植作業を始めました。
とりあえずは大鉢6つを穴を掘って埋めこみました。はたしてうまく根づくかどうかが気がかりです。
というのも、この場所は地が悪いのです、粘土質で水はけが悪い。暗渠をすればいいのでしょうが、そこまで大々的にやれませんから、掘った穴に腐葉土を入れて埋め込みました。ダメだったら再度植えかえればいいかなくらいの気持ちでやっています。
「枝葉栄えんと欲せば、まずその根を養うべし」とはよく言ったもので、全くその通りです。
先代住職が法事の法話でよく言っていたことを思い出します。祖先供養はその家の根を養うことであると。
アジサイのように替えのきくものはいいですが、人間のこととなると替えがききませんから大変です。